住宅ローンの審査方法や契約の流れについて

住宅ローン 審査

注文住宅は、建売や中古住宅の購入と異なり、住宅ローン利用の流れが特殊です。

多くの方にとって、注文住宅を建てるのは一生に一度、つまり初めてのはずですから、特にお金に関わる部分については、その全体像が気になることでしょう。

ここでは注文住宅の購入における住宅ローンの流れの全体像と、注意点について確認します。

住宅ローンの予備知識

住宅ローンの流れを確認する前に、知っておかなければならないキーワードについて説明しておきます。

事前審査と本審査

住宅ローンには、事前審査と本審査の、2段階の審査があります。それぞれの違いを簡単にまとめたのでチェックして覚えておきましょう。

事前審査

事前審査は、金融機関が最低限の情報を基に、簡易的に支払い能力を審査するものです。

本人確認書類、収入を証明する資料、他のローンの状況を示す資料、物件の情報などがあれば行うことができ、1日~1週間程度で結果が出ることが一般的です。

比較的最近できた仕組みで、不動産会社との契約書が必要な「本審査」でよく起きていた「契約→本審査→不合格→契約破棄」という不効率を、改善する目的があります。

本審査

本審査では金融機関に加え、保証会社も出てきてより詳細な審査を行います。

現在の支払い能力の他に、各種保険に加入できる健康状態、将来的な支払い能力、担保となる物件の価値なども調べ、結果が出るまでに1~2週間ほどかかります。

必要な書類も、住民票、印鑑証明、健康保険証、売買契約書、登記事項証明書など事前審査と比べてかなり増えます。

土地と建物を担保にローンを組むので、申し込みには不動産会社と交わした売買契約書や、施工会社と交わした工事請負契約書が必要です。

事前審査に通過した場合でも、この本審査で不合格になることがあります。

つなぎ融資

注文住宅を建てる際には、建築費について約4回の支払いが発生することをご存知でしたでしょうか。建物の着工前から完工までの間に、

  • 着手金
  • 中間金
  • 上棟金
  • 残金

と、1〜2ヶ月ごとに分けて請求がなされます。

上棟までに支払う金額は、建築費全体の約30〜40%が一般的で、およそ数百万円になるケースが多いでしょう。

この支払いにも住宅ローンを使いたいところですが、残念ながら住宅ローンは建物が完成されるまで実行されません。なぜなら住宅ローンは、土地と建物を合わせて担保にしており、その申込みには建物も含めた登記が必要だわからです。

そうなると、事前の支払いについては自己資金で現金を用意しなければなりません。

そしてこの用意が難しい場合に利用したいのが、「つなぎ融資」です。

住宅ローンの前借りのようなもので、抵当なしで融資を受けることができます。とても便利ですが、金利が高い、事務手数料がかかる、など、注意点もあります。

基本的に、住宅ローンと同じ金融機関で実施することになります

住宅ローンの全体的な流れ

住宅ローン 審査

必要な知識が揃ったところで、住宅ローンを利用する際の全体のフローについて見ていきましょう。

①予算の決定

当然ですが、まずは注文住宅を購入する際の全体の予算を決定します。

予算を決める上で基準にするべきは、ローンの借入可能金額ではなく、月々の返済金額です。詳しい予算の設定の仕方については「注文住宅の予算っていくら?適切な資金計画がときにあなたを救う」の記事を確認してください。

②土地購入

「え、もう?」と思う方もいらっしゃるでしょうが、この段階で土地を購入してしまいます。なぜなら、土地の条件・形状・周辺環境などによって、実現できる建物のプランが変わってくるからです。

購入といっても、ここではまだ仮決定でも大丈夫です。「買付証明書」という書類を提出し、土地を仮押さえしてもらうこともできます。

土地探しの方法はいくつかあり、「土地探しでの失敗を防ぐにはどうすれば良いのか?|注文住宅編」で詳しく紹介しています。

「平成29年度フラット35利用者調査報告」によれば、岡山県の注文住宅の土地購入、総額の相場はそれぞれ、

  • 土地取得費用:995万円
  • 総額:3894万円

だそうですから、土地代は、予算全体の25%程度が相場であるといえるでしょう。

③建築プランの決定

土地が決まれば、詳細な建築プランを決めていくことができます。予算内に収まり、かつ、ご自身やご家族の希望がしっかりと反映されたプランを、プランナーと一緒に立てましょう。

注文住宅のプランに関する注意点などは、「理想の暮らしから住宅を選ぼう。家を購入するときはどんな基準を持つことが大切なのか?」をご参照ください。

④住宅ローン事前審査

建築プランが決まれば、全体の見積もりが出せるようになります。この段階で、その見積もり金額分の住宅ローンを組むことができるか、銀行による仮審査を行います。

この手続きはインターネット等を使ってご自身でも行えますが、多くの場合は相談している不動産会社、ハウスメーカー、工務店の担当者が銀行との間に入って代わりに対応してくれます。

職業に関する情報や、収入を証明する書類などの提示が求められます。結果は、早ければ数日で出てきます。

⑤工事請負契約

建築プランが決まり、住宅ローンの事前審査に通過したら、施工会社と契約を交わします。施工会社は建物の完成を、契約者は代金の支払いを、それぞれ約束するための契約です。

この時点では、施工会社も建築プランも確定している必要があり、ここからは変更ができません。抜け漏れなく完全に納得しているか、最後にもう一度よく確認しましょう。

⑥住宅ローン本審査

契約が済んでから、住宅ローンの本審査に進みます。

もちろん本審査を通過できない可能性は残っていますが、事前審査が合格の場合、ここで引っかかるケースは多くありませんので、過度な心配は不要です。

⑦住宅ローン契約

本審査を通過できたので、いよいよ住宅ローンの契約を行います。このとき、「土地と、完成した住宅」が担保になります。

各種書類の提出、署名、捺印を行い、晴れて契約完了です。

⑧ローンの実行

住宅ローンで借りた金額が、口座に振り込まれます。完成した住宅を含めて担保になるため、注文住宅が完成してから入金されます。つなぎ融資を利用している場合、この住宅ローンでつなぎ融資を完済します。

住宅ローンを組む際の注意点

住宅ローン 審査注文住宅の購入に住宅ローンを利用する際は、特に以下の点に注意しましょう。

つなぎ融資についての知識をつけておく

注文住宅は、建物の完成前から数回に分けて支払いが発生するため、自己資金の用意が難しい場合にはつなぎ融資を利用する必要があります。

住宅ローンと同じ金融機関で借りることが原則ですが、金融機関によってはこのつなぎ融資を行なっていない場合もあります。また、通常の住宅ローンに比べて金利が高かったり、事務手数料などで10万円単位のお金が追加でかかったりと、利用には注意が必要です。つなぎ融資についてはしっかりと調べておきましょう。

融資されるタイミングを知る

注文住宅の住宅ローンは、土地と建物をセットで申し込むのが原則です。ところが融資が実行されるタイミングは土地、建物でそれぞれ異なります。土地は決済時にすぐ実行されるのに対し、建物は完成するまで実行されません。

このタイミングによって、資金計画は大きく変わってくることになります。利用する住宅ローンの融資のタイミングは、正確に確認しておきましょう。同時に、施工会社の請求のタイミングも把握しておくことが大切です。

建築確認申請をチェックしておく

土地と建物をセットで申し込むのが原則ですが、当然、申込みのタイミングでは建物は完成していません。そこで手配しなければならないのが、役所による「建築確認申請の承認」です。

「この場所に、合法的に、このような建物を建てますよ」という申請を役所に出し、その許可をもらうというわけです。

この承認を得ることにより、これから建てられる建物について、その内容が客観的にも確認されたことになり、金融機関は融資の査定を行うことができるようになります。

この承認がないと住宅ローンの申し込みはできませんので、建築プランが完成した時点ですぐに申請を行いましょう。

まとめ

注文住宅の購入に住宅ローンを利用する場合、予備知識として以下の2点について知っておく必要があります。

  • 事前審査と本審査
  • つなぎ融資

住宅ローン利用の流れは、主に以下のとおりです。
①予算の決定
②土地購入
③建築プランの決定
④住宅ローン事前審査
⑤工事請負契約
⑥住宅ローン本審査
⑦住宅ローン契約
⑧ローンの実行
つなぎ融資の仕組み、ローン融資のタイミング、建築確認申請などに注意して利用する必要があります。実施にあたり難しいことはありませんが、知識を持っていれば余計なトラブルを避けることができます。

最善の形で夢の注文住宅を実現するために、是非確認してみてください。

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